新年明けましておめでとうございます。
遅いご挨拶となりました。
正月は作品つくりで明けました。
昨日はサンスクリット語の般若心経のサーマヴェーダ版の詠唱が
完成し、CDのマスタリングも終えることができました。
サーマヴェーダ版は私が始めて作曲したものです。
サーマヴェーダのメロディで即興で歌いそれに手を加えたものです。時間は18分の作品です。
仏教とヴェーダの融合作品です。無常とも永遠とも取れる静かな
タンブーラの演奏にのせた精妙な詠唱です。
イミーさんが音楽を作曲した前回の作品に使用したもの(BGMなし)に、さらにベトナム語とラーマムールティ師のサンスクリット語を加えています。
サンスクリット語バージョンには5種類あります。
1.クリシュナ・ヤジュルヴェーダ式 小本 トウドウ
2.サーマヴェーダ式 小本 トウドウ
3.クリシュナ・ヤジュルヴェーダ式 大本 ラーマムールティ師
4.シュクラ・ヤジュルヴェーダ式 大本 ラーマムールティ師
5.サーマヴェーダ式 陀羅尼部分 ラーマムールティ師+トウドウ
したがって上記5種+ベトナム語、チベット、ブータン、中国語、韓国語、日本語を加え11種類の般若心経がこのCDアルバムには入ります。合計64分ほどです。
さらに各言語のテキスト、ローマ字表記、大本と小本、翻訳分、解説など、100ページほどのテキストが付きます。このテキストにはブッダガヤの各寺院の写真もカラーで入る予定です。テキストは9割がた書き終わっています。何とか2月中に出版できればと考えています。
般若心経にこだわっているのは、サンスクリット語の詠唱という点で興味を持ったわけです。
10年来の企画でしたが今となれば大乗仏教のこの経典をとおして、ヴェーダと仏教の違いや共通点を知ることもできました。大乗仏教と部派仏教の間にも考え方の相違があります。
しかし、今の時代に必要なのは和合、統合、調和です。違いを認め、それを超えて共通の真理を求めることです。
リグヴェーダには次の有名な一節があります。
「エーカム サッドヴィプラー バフーダー ヴァダンティ」
ekaM sadvipraa bahuudhaa vadanti
唯一なる実在を、聖者たちはさまざまに名づける。
自分の立ち位置によって見える世界は違って見えます。
相手の立ち位置を理解することが、相互の理解の始まりでしょう。
瞑想は心の奥底の静寂の意識を体験する有効な方法です。
それをとおして共通の意識が育ちます。
自ずと違いを乗り越えることができると思います。