どうして、政治家やマスコミは、ひとつひとつ与党の発言の上げ足を取るのだろうか。まるで世論を反民主に意図的に導こうとしているようにさえ映る。
過去50年以上の政治の中でかっちりと固まった、政官業の癒着構造が、ここ半年やそこらで変えられるのだろうか。既にその三角構造の中で、それぞれの利益構造が出来上がっている。旧与党にいた人たちでさえ、変革できず離党する人もいるくらいだ。そんなに簡単に改革できるなら、既に改革ができているはずではないか。
当然、古い体制で甘い汁を吸っていた人たちは、あらゆる手段を使って、その利権を死守しようとするだろう。
そう簡単にはいかない。何度も何度も首相が変わり、閣僚が変わってきた過去の政権の中で、変わらない官僚がすべてをコントロールする力を持つのは当然である。
4年間の間で変革していければいいのではないか。堅い岩を砕いていくにはそれなりに時間がかかる。
過去の政権もその官僚の力の中で踊っていたし、官僚自体が政治家として政治の中にも入っていた。
国民の期待を一身に集めて誕生した、新しい政権だが、首相の強いリーダーシップが求められる。周囲の意見にかき回されず、純粋な思い、つまり国民の生活の質を改善し、環境問題を考え、世界との関係を構築し、世界の平和を創造する、そういった大きな理想の中で、素志貫徹してほしい。
今の政府の財政を家計や企業に当てはめれば、とっくに破産や倒産している。
何をなすべきかは分かる。無駄を省き、またその無駄を通して、自分たちだけが甘い汁を知ってきた人々がいるとすれば、それらは徹底的に事業仕分けすべきだろう。
増税前にまず無駄を徹底的に削減しなくてはいけない。国民の怒りは首相のリーダーシップの弱さだけではなく、そもそも独法やそこへの官僚の天下りによる驚くほどの無駄である。どうして何度も天下りをして高額の給料をもらい、何度も退職金をもらっているのだろうか。それらは皆税金である。天下り先を作るために独法を作ったりしているところも多い。
私の先生は言った。政府は国民の鏡であると。国民が変わらなければ政府も変わらない。政府の足を引っ張るのではなく、広い視野で、真実をとらえる目を持つことだと思う。また政治家ももっと国民の視点をもっと取り入れるべきだ。
あれもこれも便利快適を求めすぎれば、また、それぞれが自分のことだけを考えれば、結果的に国家の支出は増える。相互扶助の精神を持ち、お互いが助け合い、自律的に動いていくことも大事ではないか。社会主義ではないのだから、すべてを国家に依存するのもどうかと思う。
まあ、何事も無駄な動きは無いので、今の政治の世界のごたごたも、そうは言っても、次に来る新しい動きへの変革だと思うが。
一人ひとりがよりよい日本を、しいては世界を創造するという観点で考えないと、批判をし合っていては舟もろとも沈没する。
離合集散しながらよい形で政治の世界も、真の意味での民主主義として成熟できないものか。
政治家には特にしっかりと瞑想してほしいと思う。冷静な心、広い視野、心の内面にある、大いなる意識を養い、自然法の力を身につけてほしいものだ。