ラーマ王と太陽

  • 2008.03.31 Monday
  • 19:37
4月14日はラーマ・ナヴァミ(RAMANAVAMI)と呼ばれるヴェーダの祭日です。ご存知の理想的な国の統治を行ったラーマ王の誕生日とされています。ヴェーダ暦のチトラ月の新月から9日目がこの日にあたります。ナヴァミとは9日目という意味です。新月は満月に向かって日ごとその明るさを増していきます。9は完成した数字を指しています。月はそれ自体が輝いているのではなく太陽の光を反射しています。一人ひとりが内なる太陽の光、つまり真我(アートマン)を生きること、つまり悟りを得ることにより世界を大いなる叡智の光で照らし、ひとりひとりがが理想社会を創造する一員となるのです。この日はラーマに祈りを捧げつつ内なる叡智の光を輝かせる日なのです。

桜の美しさも、春の暖かさも太陽の日差しがなければ存在しない。色彩は太陽光の反射に対する人間の目の知覚の産物である。太陽光の7つの異なる周波数の電磁場はさまざまな地上の存在に当たり、反射し私たちの目に入ってくる。反射体がどの周波数つまり色を反射する素材なのかにより、異なる色として人は認識する。またすべてを吸収すると黒になり、すべてを反射すると白になる。突き詰めていけば体温もまた太陽光により生まれている。

太陽のエネルギーは万物を創造し育む原動力となるものである。もしこの瞬間に太陽が突然なくなったとしたら、世界は暗闇。気温はマイナス273度ほどになるだろう。そこには生命は存在しない。

古来より太陽を人々は神とたたえ崇めてきた。ヴェーダの神々はまさに太陽神である。スーリヤ、アーディティヤ、サヴィトル、ヴィシュヌ、シヴァ、インドラ、アグニ・・・・。それらは太陽の別名である。

インド古代の神話ラーマーヤナに登場するラーマ王(ラーマラージャ)はまさに太陽の化身である。ラーマチャンドラとも呼ばれている。ヴィシュヌ神の7番目の化身(アヴァターラ)とされている。コーサラ国のアヨーディーヤーを支配するダシャラタ王子の長子でシータの夫である。国民から崇拝されラーマの統治のもと国には自由と平和と繁栄があった。犯罪や病気や天災はなく地上のまさに天国であった。

私たちの太陽系は太陽の巨大なエネルギーにより支配されています。あるいは私たち自身が太陽エネルギーの個別化したものともいえます。太陽はまた個人における真我(アートマン)でもあります。真我によってすべて私たちの心は機能しています。

ところでラーマの「ラ(Ra)」は太陽を表す言葉です。さまざまな言語においてラは太陽、火、光、輝きなどを現す言葉として使われています。古代エジプトで太陽神または太陽は「ラー」と呼ばれ、ラテン語のラは、光を表す言葉に用いられます。

※さて、この4月14日のラーマナヴァミの日にインドのラーマムールティ先生による啓発祈願のヤジニャが行われます。私たちは日本にいながらインドの乳からこのヤジニャの恩恵を受けることができます。希望者の方は下記のサイトをご覧ください。

▲ラーマナヴァミの日の啓発祈願のヤジニャ

チベットで起っていること

  • 2008.03.30 Sunday
  • 02:04
実際にチベットで何が起っているのだろうか。日々ダライラマ法王庁東京事務所のサイトからニュースが掲載されています。軍事基地がチベットに建設され始めているようです。多くの僧侶が殺戮されまた強制収容されているようです。チベット自治区と呼ばれていますが元来ここは独立した国家です。漢民族によるチベット人支配はとても許せるものではありません。オリンピックを行う資格などありません。軍事的拠点、資源の宝庫などと言った理由で他国を支配することは正当化できたものではないのです。暴動や騒乱と言ったことが起っているのではなく虐げられてきている人々の不満や怒りです。日本が戦時中に行ったことと同じことを中国はチベットに行っているようなものです。皆さんはどう思われますか。

▲ダライ・ラマ法王日本代表部事務所からのアピール/日本の皆さまへ
▲ダライラマ法王庁東京事務所

目黒川の満開のソメイヨシノの桜道

  • 2008.03.29 Saturday
  • 23:17


目黒駅の西口を出て目黒通りをドレメ通りに入り真っすぐ15分ほど歩くと目黒川にたどり着く。夕暮れ時の太陽光が少ない寒空にソメイヨシノの桜が一面に花を咲かせている。



ここ目黒から中目黒を通り池尻大橋までまで約3.8キロの川沿いに約830本のソメイヨシノが植えられているそうである。

▲▲目黒区の説明サイト
▲地図









遠くから見るとピンクの景色もひとつひとつの花びらの集まったものである。ひとりひとりの心の中の愛もきっと重なり合えば、大きな地球的な規模の平和へと発展していくのだろう。この都会にあって私たちの心を豊かにしてくれる。去年の今頃、この近くから駅前に引っ越したのを思い出しながら、時間を忘れて花に見いっていた。明日は日中の光の中で見てみようと思う。

フードマイレージと仮想水

  • 2008.03.14 Friday
  • 21:46
質問:

「ここに巨大な池があります。そしてその池には蓮が咲いています。
その蓮は1ヵ月毎に倍に増えます。今、蓮は半年かかってこの池の半分を覆いました。では、何ヵ月後にこの池は蓮で多い尽くされるでしょうか?」

・・・・こんな質問がある雑誌にありました。もうお分かりのとおり
1ヵ月後ですね。

環境問題はそんな感じです。蓮の倍増のように加速度的に問題が
進行しています。まだまだ大丈夫と思っていたら、突然、はっきり
見える形で現れてきます。

ただ現状では、既に目に見える形で現れていますすから、更なる激変が起ることは予測されます。「過去最高」といった自然現象は毎年世界中で起っています。地球温暖化、砂漠化、森林の消滅、南極北極の氷の消滅、海面上昇、食料不足・・・・。

世界規模の気候変動、異常気象などは個々人のエネルギー消費から
生まれています。

「フード・マイレージ」や「仮想水」という言葉ご存知の方も
多いでしょう。農産物自給率の低下とともに大量の食料や水を
海外にい存じています。それはエネルギー消費の増大であり、
温室効果ガス排出の増大でもあります。これは海水温度を上げ、
気圧の状態を変え、風の流れを変え、気温を上げ・・・・、
そしてさまざまな異常気象を引き起こしておるひとつの原因と
なっています。


●仮想水

牛丼1杯には風呂桶10杯分(2トン)、ティッシュペーパー1枚には
1〜2リットルの水が使用されているそうです。成長過程、加工過程
などすべての段階で使用した水の量です。以下は1トンあたりの仮想
水の量です。

米:水3.6トン
大麦:2.6トン
トウモロコシ:1.9トン
大豆:2.5トン
牛肉:20.6トン
豚肉:5.9トン
鶏肉:4.5トン
卵:3.2トン

牛肉が圧倒的に大量の水を使用していますね。
また日本が使用する仮想水は、アメリカから389億トン、オースト
ラリアから、89億トン、カナダから49億トン、中国から25億トン、
デンマークから14億トン、タイから13億トン、南アフリカから3億トン、
そのほか36億トンです。半分以上はアメリカの水を日本人は使用し
ているのですね。

日本の水の水資源の年間使用量は900億立方メートルでそのうちの
3分の2(640億リットル)は食料をとおして消費しています。

参考)
・日本は世界で一番多くの食料を輸入している
・食料と一緒に水も輸入しているの?
・水資源と農業用水に係る資料集
※各農水省サイトより

●フードマイレージ
フードマイレージとは「食料の (=food) 輸送距離 (=mileage) 」です。
食料の重量×距離(たとえばトン・キロメートル)で表します。
フードマイレージは、食料を遠くから運んでくるほど大きくなります。
フードマイレージ数値が大きいほど、食料に関して贅沢をしている
とされます。

農林水産省の試算(2001年)では、日本は総量で群を抜いいて、
国民一人当たりでも一位となっていと発表しています。農水省幹部は
「現代の日本人が歴史上のどの時代における、どの国の王侯貴族よりも
贅沢な食事をしていることになっている」と解説しているそうです。

以下、フードマイレージの総量( )内は国民1人当たりの数値
※単位=トン×キロメートル

日本  :9002億800万(7093)
韓国  :3171億6900万(6637)
アメリカ:2958億2100万(1051)
イギリス:1879億8600万(3195)
ドイツ :1717億5100万(2090)
フランス:1044億700万(1738)

参考:農水省サイト
・各国のフード・マイレージの比較

ですから、せめてマイ箸利用、レジ袋をもらわないといったところ
を実践することですね。温暖化防止はそこから始まります。

インド最南端の旅〜カンニャクマーリ

  • 2008.03.08 Saturday
  • 00:15

インド最南端のカンニャクマーリを訪問した。マレーシアのアーユルヴェーダセンターの院長の招待である。先生はここの出身で年に1回は実家に帰っていた。ちょうど同じ時期、インドにいる私を家族に会わせたかったためである。私は同じタミール州のチェンナイの師のお嬢さんの結婚式に来ていた。

トリヴァンドラムというケーララ州の町まで飛行機で行き、そこから2時間ほど車で移動した。知人と母が一緒なので夜行列車で7,8時間の移動はきついのでそうした。

ケーララ州は緑豊かでタミールや北インドの今まで訪れた町とは異なり、安心できそうな感じである。道路にはアーユルヴェーダの施設の看板が数多く見られた。さすがアーユルヴェーダの本場である。1時間ほど走るとターミール州に入り、夕方にはカンニャクマーリの先生の実家に着いた。

先生宅はお寺であることは知っていたが、そこはとても有名な大きなシュチーンドラというお寺である。ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァとそのほかインドの神々が祀ってある。到着したその日は、月2回の祭日であり、神輿ににのせたシヴァリンガを先頭に数百人の信者さんたちの列が後を追うように行進しながら、祈りの歌やマントラを口々に唱えながら、お寺の中を3回まわっていた。1回ごとに特定の儀式が行わていた。最後は御神体は元の本殿の中に収められた。

 

 

 

その様子はインディジョーンズの映画の1シーンのようだった。古代のインドにタイムとスリップしたような感覚も味わった。写真撮影は禁止されていたので写真でお見せできないのが残念である。先生はこのお寺のご子息なので、この神輿を担ぐメンバーの一人であった。

この現代社会において未だにこのような儀式が行われしかも、人々は昔ながらの信仰心を持って、シヴァリンガという物質的な作られた神の姿に心底崇拝の念をいだいていることには驚く。

数百年以上前の歴史のある建造物はこれまで見たほかのインドの寺とは異なる。通常は南インドのお寺は屋根一面に人格化された神々の彫刻があり、カラフルに彩色を施されているがここは、石の素材の素のままである。そのためより自然な感じがした。

大きな石がまるで木彫のように細かく見事に彫られさまざまに神々で飾られていた。さまざまな石のパーツを組み合わせてできたかと見間違えるほどである。また音楽柱というのがいくつかあった。中心となる柱の周囲が7個の細い円柱で囲まれており、それらに一つ一つ耳を当てながら、拳でコンコンとたたくと音がするのである。木琴をたたくような音である。しかもそれらは、サ・レ・ガ・マ・パ・ダ・ニ(西洋音階ではドレミファソラシ)の音がでるように調整されて作られている。驚くことに中心の柱と周りの細い柱は別々のものでなく、ひとつの石から彫られたものである。今の時代であれば、音楽柱というよりもヒーリング柱といっても良いかもしれない。

先生の家系はアーユルヴェーダ医師である。お父さんもアーユルヴェーダ医師として現在もお寺に隣接するクリニックで仕事をされている。実はこのお寺に隣接する先生のご実家には、聖人スワミ・ヴィヴェーカーナンダが宿泊したというのである。ヴィヴェーカーナンダといえば私がこの世界に入るきっかけとなったマスターである。彼が生きた時代は、1863年1月12日〜1902年7月4日である。100年以上も前の人である。初めて手にした本を読み彼と彼の師であるラーマクリシュナの生き方に感銘したものである。いってみれば私の最初のグルといってもいい方々である。

その彼が宿泊した小さな2回の部屋とそのベッドを見せてもらった。ベッドは壁に金具でくっついており、普段は壁にしまってある。しばしその彼の呼吸を感じたいと思い、また感慨深くその場に立ち尽くした。

 

その聖人がこのお寺に宿泊したあと、カンニャクマーリの沖にある小さな島まで泳いで渡り、3日間瞑想した後、アメリカのシカゴで開催された第1回宗教会議の出席する旅に出たのである。日本にも途中に立ち寄っている。

 

その彼が瞑想した小さな島はヴィヴェーカーナンダ・ロックと呼ばれ今は、お堂が立てられている。船で10分ほどでつく距離にあり、今は観光地になっている。

一人の人間のある志や気づきが時を越え、今も人々の精神性を導き高めていることに、人の魂の無限の可能性を改めて実感した。

 

その日はそこから10キロ先の海の見えるホテルに宿泊し日の出を見た。カンニャクマーリから眺める日の出と日の入りはとても美しく、心に勇気と希望を与えてくれた。それと共にこの旅に招待してもらった、アーユルヴェーダドクターのシヴァプラサード先生に感謝したい。

変化

  • 2008.03.05 Wednesday
  • 20:25
2月のインドの旅は私にとってある意味の清算の旅でもありました。
私の師のお嬢さんの結婚式に招かれ訪印したのですが、滞在中には
さまざまな有益なことがありました。詳しくはまたブログでご紹介
します。偉大な魂との遭遇は、何らかの意識の向上を誘発してくれ
るものです。また異国の地に向かうことは何か人生の流れのなかで、
変化を生み出す時期であり、今回は霊性の向上という意味でのいい
旅となりました。

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< March 2008 >>

ヴェーダセンター


サイト内検索

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

Concise Sanskrit-English Dictionary
Concise Sanskrit-English Dictionary (JUGEMレビュー »)

「サンスクリット−英語」ポケット辞書

recommend

A Sanskrit-English Dictionary
A Sanskrit-English Dictionary (JUGEMレビュー »)
M.Monier- Williams
MONIER版の「サンスクリット−英語」辞書

recommend

The Practical Sanskrit-English Dictionary
The Practical Sanskrit-English Dictionary (JUGEMレビュー »)
Vaman Shivram
APTEの「サンスクリット−英語」辞書プラクティカル版

recommend

Students English Sanskrit Dictionary
Students English Sanskrit Dictionary (JUGEMレビュー »)
V. S. Apte
APTEの「サンスクリット−英語」辞書プラクティカル版の簡易版

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

基本梵英和辞典
基本梵英和辞典 (JUGEMレビュー »)
B.B. ヴィディヤランカール
サンスクリット語を学ぶ人必携の書。デーヴァナーガリー文字、英語、日本語の意味がかかれている。

recommend

解説ヨーガ・スートラ
解説ヨーガ・スートラ (JUGEMレビュー »)
佐保田 鶴治
聖人パタンジャリのヨーガ体系の叡智の結晶。深遠な知識が満載。ヨーガを実践する人は必携。

recommend

VEDA LILA-The Miracle of Vedic Chants-
VEDA LILA-The Miracle of Vedic Chants- (JUGEMレビュー »)

トウドウによるサンスクリット語のサーマヴェーダ聖典詠唱CD。パーカッション、リジュリドゥなどとのコラボレーションも入っている。

recommend

シカゴ講演集
シカゴ講演集 (JUGEMレビュー »)
スワミ・ヴィヴェーカーナンダ
ヴィヴェーカーナンダによる感動的なシカゴの世界宗教者会議での講演集

recommend

ジャータカ物語―インドの古いおはなし (岩波少年文庫)
ジャータカ物語―インドの古いおはなし (岩波少年文庫) (JUGEMレビュー »)

お釈迦様の前世の物語集。分かりやすく人生にいろいろと指針や気づきを与えてくれる。

recommend

ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫)
ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫) (JUGEMレビュー »)

お釈迦様の言葉。ひとつひとつの言葉が心に深く入ってくる。

recommend

ウパニシャッド (講談社学術文庫)
ウパニシャッド (講談社学術文庫) (JUGEMレビュー »)
辻 直四郎
ヴェーダの叡智の集成。人生の真理を学ぶために必須の図書。

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM