雅楽ユニット〜むすびひめ

  • 2008.01.14 Monday
  • 23:35
横浜の中華街にあるシルクロード舞踏館で、中村香奈子さんと田島和枝さんとで組まれている雅楽ユニット「むすびひめ」のコンサートに行ってきた。会場はめずらしいものがいたるところに展示されている老舗の輸入雑貨店チャイハネというお店の地下一階にある。界隈に3添付ほどあり、ついつい帰りに店内をくまなく見てしまった。


階段をおりてドアを開けると、会場には30人ほどが集まっていた。お二人は既にスタンバイしていた。高松塚古墳に描かれている絵から再現して作ったという衣装と漆喰風の壁や天井が静かで古代の雰囲気をかもし出し、とてもいい雰囲気を演出していた。二人から直接日本の古代にタイムとリップしたような不思議な雰囲気が伝わってきた。


有名な越殿楽(えてんらく)をはじめ、5,6曲が次々と演奏された。興味深かったのは「胡飲酒序・破(こんじゅのじょ・は)」という曲の言われである。「胡」とは、戦国時代の内モンゴルの塞外民族を指していたそうだが、唐代になると西方のペルシャ系民族(ソグド人)を「西胡」というようになったそうである。「胡国の人が酒を飲み、酔ってこの曲を奏す」と書かれているそうである。ペルシャの人たちとこの雅楽のつながりが不思議な感じである。


笙(しょう)、宇(う)、竜笛(りゅうてき)などの古代からの楽器、またゲストの小林さんの篳篥(ひちりき)と舞はまた厳かさを増していた。篳篥は一番中でも一番小さな楽器なのに一番大きな音が出ていた。
排簫(はいしょう)という楽器はパンフルートと同じ仲間だそうだが、当時の日本で既にアンデスを連想させるようなこの管楽器の音色が存在したことに驚きを感じる。


ゆったりとした雅楽の演奏は忙しい現在社会のペースを忘れさせてくれ、静かに目を閉じて聞いているといつの間にかタイムスリップし、別世界にでも行ってきたようである。またすべてを忘れる深い瞑想体験をさせてくれる。

>>>むすびひめ
>>>>>>シルクロード舞踏館


六本木ヒルズを見つめるサラスヴァティ

  • 2008.01.12 Saturday
  • 17:30
麻布十番から六本木ヒルズに向かって歩いているとふと七福神が目に留まった。まだ真新しく石でできていた。七福神とは、福を呼ぶとされる七柱の神様である。


七柱神の様とは、大黒天、毘沙門天、弁才天、布袋、福禄寿、寿老人、恵比寿である。まさに国際的な神々の集まりです。室町時代末期頃から信仰されているそうだ。大黒天、毘沙門天、弁才天はインドの神様、布袋、福禄寿、寿老人は中国、恵比寿様は日本の神様である。

大黒天(だいこくてん)のもとは、サンスクリット語のマハーカーラ(Mahaa Kaala)、音写して、摩訶迦羅という。仏教の守護神だが元々はシヴァ神の憤怒の化身とされる。本来はマハーカーラのマハーは「偉大な」、カーラは「時」もしくは「暗黒」を意味する。そこから「大暗黒天」または「大黒天」と呼ばれる。リグヴェーダにおいてはこのシヴァはルドラという名前で表現されている。

毘沙門天(びしゃもんてん)は、既に高尾山のブログで述べたとおり、ヴァイシュラヴァナ(Vaishravana)で、インド神話の財宝神クベーラの前身である。

弁才天(べんざいてん)は、弁財天とも書くが、ヴェーダの神サラスヴァティー(Sarasvatii)である。創造主ブラフマーの妻であり、学問、智慧、弁舌、音楽の女神である。サラス(Saras)とは水、ヴァティ(Vatii)は所有を意味する。リグヴェーダにおいては、サラスヴァティーは河の名前である。


福禄寿(ふくろくじゅ)は、中国の道教における3種の願い(幸福、封禄、長寿)を表したものである。宋の道士天南星の化身や、南極星の化身とされ福禄人(ふくろくじん)とも言われる。

寿老人(じゅろうじん)は道教の神仙(神)で南極老人星(カノープス=りゅうこつ座)の化身とされ、長寿を司ると言われている。

布袋尊(ほていそん)は、中国唐末の明州(浙江省)に実在したとされる僧・布袋(ほてい)に由来するという。大きな袋を背負い鼓腹の僧侶の姿で知られている。

恵比寿(えびす)は、日本の神で、外来の者を意味する。夷、戎、胡、蛭子、恵比須、恵比寿、恵美須などと書いたり、えびっさん、えべっさん、おべっさんなどともいう。

ところで私の住む近くには、山手七福神があります。目黒区のサイトには地図が出ているので、時間を見つけて七福神巡りをしてみては。

>>>山手七福神巡り

ヴェーダの神々と高尾山薬王院

  • 2008.01.05 Saturday
  • 00:24
1月3日、家族と共に高尾山薬王院にお参りに行った。東京にあって緑豊かな場所にあるこのお寺が気に入っている。目黒からJR線、京王線、ケーブルカーそして徒歩と2時間近くかけて寺院まで到着した。


海抜600メートルほどのこの場所は肌寒いながら初詣の人でにぎわっていた。ケーブルは行きも帰りも30分以上は待つことになった。数年前にも訪れたことがある。そのときのお寺での護摩焚きがよかったので家族を連れてまたやってきた。

知人から聞き調べたところ、フランスの有名タイヤメーカー「ミシュラン」が観光地やレストランを、星の数で格付けしているが、2007年に初の日本版旅行ガイドを発売した。何と高尾山が最高ランク“三つ星”観光地としてミシュランにより選ばれた。4人の担当者が日本各地を約2ヶ月ずつ訪問し決定したそうである。都心から交通の便がよく大都市近郊に豊かな自然が溢れている点が決め手になったようだ。そのため外国人が姿もちらほらみられた。途中まで一緒だった外国人の子供連れ家族は猿園に一目散に向かっていった。薬王院が毎時間毎にに行う護摩焚きが今日はもう1,2回で終わる。何もここまで来て猿ではなく護摩焚きだろう、と内心思った。


●天狗とヴェーダの神鳥ガルダ
薬王院は厄除開運祈願で知られるが階段を昇ると正面の門の両脇には青天狗と赤天狗の怖々とした天狗の姿がある。


向かって左の青天狗は開運、右の赤天狗は厄除けの働きをするという。




天狗というと鞍馬天狗などを思い出すが、元をたどるとインドの神話に登場するヴィシュヌの乗り物である神鳥ガルダに行き着く。ヴィシュヌの乗り物とはすなわちヴェーダを指す。パーリ語ではガルラ、英語やインドネシア語ではガルーダという。ガルーダといえばインドネシアの国営航空会社を連想する。ガルダは gr (飲み込む
という言葉に由来する。彼は蛇・竜(ナーガ)退治する聖鳥として崇拝されているが、これは猛禽類や孔雀は蛇を食べることがもとになっているそうだ。鷲の姿や人間に翼が生えた姿で、翼は赤く全身は黄金色に輝く巨大鳥として描かれる。

インドの仏典では「流星」「彗星」をさす言葉として用いられ、中国語に訳されたとき「天狗」の字が当てられたという。仏教では迦楼羅(かるら=パーリ語由来)や金翅鳥(こんしちょう)となり、そのイメージが日本では天狗(烏天狗)となったと言われる。中国では、地上に災難をもたらす自然の脅威ととらえられており、人のような姿で語られることはないという。隕石が落ちた所には狗(イヌ)のようなものがいて、不吉の前兆と信じられた。
日本書紀には、大きな星が東から西に流れ、雷に似た音がしたのを「あれは流星ではなく天狗(あまつきつね)だ」と言ったという記録が残っており、初めて文献に登場したもで、彗星あるいは流星を指したと考えられる。

鼻高で赤ら顔、山伏装束で一本歯の高下駄を履き、葉団扇を持ち空を飛び回る姿は中世以降のもので鼻高天狗と呼ばれる。この天狗の原型は、室町時代の御伽草子にある鞍馬寺の鞍馬天狗と考えられる。

また天狗は、自慢の権化とされ、鼻高が象徴であり、「天狗になる」と言えば自慢が高じている様を表す。中世には仏教の地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道、天上道、天界道という仏教の六道に加えて天狗道があり、仏道を学んでいる為地獄に堕ちず、邪法を扱うため極楽にも行けない無間(むげん)地獄とされたそうだ。

愛宕山の太郎坊、鞍馬山の僧正坊(鞍馬天狗)、比良山の次郎坊の他、比叡山法性坊、英彦山豊前坊、富士山太郎坊、白峰山相模坊など信仰の対象となる神としての天狗なども知られる。また、天狗は輝く鳥として描かれ、松明丸、魔縁とも呼ばれた。山神との関係も深く、霊山には天狗いて、山伏の姿をしていると考えられた。山伏による天狗信仰は仏教と結びつきさまざまな言い伝えを生み出した。


●薬王寺のガネーシャ神
歓喜天(かんぎてん)が本堂の右手のお堂に安置されていた。歓喜天はヴェーダの中に登場するブリハスパティ(=ガナパティまたはブラフナスパティ)であり、神話においてはガネーシャとして表されている。ブリハスパティとは祈祷の主という意味であり、このブリハスパティはもともとインドラの呼称であったとされる。この神話のガネーシャは歓喜聖天という名前で私たちの日本の地においては信仰されていのである。ガネーシャは本来、障害除去、商売繁盛、学問成就の神様である。日本の密教においては福徳を祈る歓喜天法の本尊、一般には夫婦和合、子授けの神として信仰されている。


●護摩焚きとヴェーダのホーマ儀式
インドではホーマという火の開運儀式は日本では「護摩」と呼ばれている。サンスクリット語が音を漢訳したものである。本堂で私たちも家内安全のためのご祈祷を受けた。さまざまなサンスクリット語のマントラが日本語的発音で詠唱され、護摩木が火にくべられ炎がお堂高く上がっていた。その後般若心経が太鼓の音と共に読経された。静粛さと荘厳さと力強さを感じた。残念ながら撮影禁止で写真はない。

●多聞天(たもんてん)と広目天(こうもくてん)
興味深かったのは多聞天と広目天である。説明書きには次のように書かれていた。

<多聞天>


宝塔槍を手に持って
すなおに耳をかたむける
福徳たちまちあつまって
豊かな社会を守ります

<広目天>


軸と筆とを手に持って 
澄んだまなざしさしむける
広く見る目でしっかりと
大きな社会を守ります

広目天は、インド神話のヴィルーパークシャ (viruupaakSa)で、「種々の眼をした者」あるいは「不格好な眼をした者」という意味である。「尋常でない眼、特殊な力を持った眼」また千里眼と解釈されそれが広目と訳された。 ヴェーダ聖典のインドラ(帝釈天)の配下であり仏教では守護神となり、仏の世界を支える須弥山の4方向を護る四天王の一員として西の方角を守護するとされる。

多聞天はヴェーダにおけるヴァイシュラーヴァナで、ヴァイシュラーヴァナとは「広く聞く、聞かれる」という動詞からできた名詞で、彼の父ヴィシュラヴァスの子を意味し、富の神クヴェーラの別名である。これを意訳すれば多聞天、音訳すれば毘沙門天となる。インド神話においてクヴェーラは冨の神である。

本堂の右の柱には「世界平和」(ヴィシュヴァ・シャーンティ)という文字が金色に輝いていた。この高尾山の地での個々人の祈りが、自己の願望成就のみならず世界平和への聖なる波動を生み出していることが素晴らしい。

柴又のインドラ神

  • 2008.01.02 Wednesday
  • 01:05
1月2日の今日、東京都葛飾区にある「帝釈天」を祀る題経寺に思い立って初詣に行ってきた。通称、「柴又帝釈天」として知られ、寅さんでも有名になった日蓮宗の寺院である。帝釈天が有名になったが、ご本尊は南無妙法蓮華経の題目が書かれた「大曼荼羅」である。


江戸時代初期(17世紀前半)の寛永6年(1629年)に禅那院日忠および題経院日栄という2名の僧によって開創されたそうだ。正式の山号寺号は経栄山題経寺(きょうえいざん だいきょうじ)である。

インド帰りの私にはふと帝釈天という言葉が心の中にやってきた。帝釈天は、仏教の守護神であるが、聖典リグヴェーダに最も多く登場する神、自然の力である。神の中の王といわれている。帝釈天はサンスクリット語ではシャクロ・デーヴァーナーム・インドラ(Shakro Devanam Indrah)と言われるそうで、シャクロを釈と音訳し、デーヴァーナームを天(神)、インドラを帝と意訳し冠したもの。うまく漢訳したものである。

インドラ神は、阿修羅と戦う武勇神でもあり、仏教に取り入れられ、成道前からブッダ尊を助けたと言われる。
インドラは実際のところ宇宙知性である。神の中の王様といわれておりまさに帝である。この宇宙の秩序を維持し進化発展させている根本的な宇宙の理法である。
夏目漱石の「草枕」に、「智(ち)に働けば角が立つ。情に棹(さお)せば流される。意地を通せば窮屈だ」とある。

情と知のバランス、左脳と右脳のバランス、これは我々人間には大切な要素だ。「クールヘッド、ワーム・ハート」ということばもあるが、より知的により温かい心を持って、ということだと思うが、寅さんとインドラのこの組み合わせは何ともいえない、ユニークなものとして私には映る。

インドラは宇宙知性、純粋知性なので目に見えるものではないけれど、インドラは宇宙の秩序を支配し、それは私たちの細胞の隅々、心の隅々まで浸透している。

寅さんの人情味あふれる姿と宇宙知性でありヴェーダ的なインドラがこのように繋がっているのは面白い。

★リグヴェーダより
「ヴァジュラ(金剛)手に持つインドラは、行くもの、憩うもの、角なきもの、角あるものの王者なり。彼のみ実に王者として諸民を支配す。車網が車輻を包むごとく、彼は一切万物を包囲す」(リグヴェーダ1-32-15)
Indra, the vajra-wielder, is king over that which moves and that which stays still, over the tamed and the horned; he rules as king over humans, containing (all) as spokes within the wheel's rim.

「生まるるやいなや、最初の思考力あるものとして(最初の)神として、神々を掩護したる彼、その息荒き勢いを、雄力の偉大さゆえに、天地両界の怖れたる彼、彼は、人々よインドラなり」(リグヴェーダ2-12-1)

「動揺する地を固定したる彼、怒り狂う山々を鎮めたる彼、空間を測量していや広くせる彼、天を支えたる彼、彼は、・・・・」(リグヴェーダ1-12-2)

★柴又帝釈天サイト
http://www.taishakuten.or.jp/

謹賀新年 インドの旅2007年を振返って

  • 2008.01.01 Tuesday
  • 02:55
●謹賀新年●

2008年、新年明けましておめでとうございます。
それぞれに新たな気持ちで新しい年をお迎えのことと思います。

昨年は10月27日から12月23日まで長期にわたり、マレーシアと
インドに出かけました。

マレーシアには4人の参加者と共にインドのアーユルヴェーダの
体験ツアーを組み2日間のみ通訳として同伴しその足でインドに
私はいきました。
http://vedacenter.jp/lesson/ipoh_photo.html

ひとつにはインド古典声楽の「ドゥルパド」のヴォーカルの
トレーニングを受けるためでした。ドゥルパドは200年以上
前にサーマヴェーダの詠唱から派生した音楽と言われています。
インドでも聞いたことがある人、知っている人はサーマヴェーダ
と同じく非常に少ない割り合いです。

グンデーチャ兄弟が私がトレーニングを受けた先生ですが、
インドでも数人しかいない人の2人です。1ヶ月の期間だけでし
たが貴重な先生からのヴォーカルトレーニングを受けることが
できました。

10数人の生徒たちが毎日学んでいます。海外からも学びに来る人が
時々あります。私がいるときはオーストラリア、中国、アメリカから
1人ずつ来ていました。テレビ局が取材に来たこともあり、それぞれ
インタビューを受けました。

あっという間の1ヵ月月でしたが毎日貴重な体験ができました。
サーマヴェーダの詠唱にとってとてもプラスになりました。

今回のもうひとつの目的は、ある出版社からのリクエストで、
般若心経とヴェーダのCDを出版したいということで、その
録音のためにベナレス、ブッダガヤ、ジャイプール、そして
ガンゴートリーを訪れました。

ガンゴートリーでは聖なるガンガーの河の清流の流れ、寺院での
礼拝の様子、ベナレスとジャイプールでは、リグヴェーダ、
ヤジュルヴェーダ、アタルヴァの各ヴェーダの専門家(パンディタ)
による詠唱を、ブッダガヤでは各国の仏教寺院でそれぞれの言語
による般若心経を、それぞれ録音できました。

ベナレスではガンガーにボートを浮かべヴェーダの録音ができました。
ベナレスという聖地での録音にはとても意味のあるものでした。
これらの録音は近いうちにCDとして発売したいと考えています。

また写真は一部ブログで紹介しています。
http://blog.vedacenter.jp/?eid=421391

この2ヶ月の間にさまざまなことがありましたが総じて順調に
進みました。大いなる自然に感謝の思いで一杯です。

またいろいろな機会にこのインド滞在中のエピソードをお話ししたい
と思います。

日本に帰ってくると本当に快適な生活を実感します。と同時にいかに
私たちは物質的な豊かさに恵まれているかを痛感します。

刻々と時は刻まれこの宇宙は進展していきます。2008年は皆様に
とって新しい気づきと更なる飛躍の年となりますよう、心から
お祈りいたします。

インドの旅2007年

  • 2008.01.01 Tuesday
  • 01:49
今回のインドの旅は半分はインド古典声楽の勉強、半分はヴェーダ詠唱と般若心経読経の両方をレコーディングするため。また関連する場所の写真撮影が目的でした。CDを年内には両方を出版したいと考えています。


(1)ボパールで声楽トレーニング。
周囲は見渡す限りの平地の中にぽつんと学校校舎。10数人がここでは学んでいる。大半は過去に音楽の勉強をしてきた人たちです。中にはヨガや瞑想の経験を積んだ人がサーダナ(霊性修養)として学んでいる人もいました。先生は週末は数ヶ月先までコンサート活動が、海外も含めびっしり先まで入っていて超多忙。日本にも数年前に来られたことがある。コンサート以外の日は私たち生徒へ個別に指導を行う。1ヶ月の滞在中最初の1週間は練習しすぎで喉を痛めてしまった。音楽の勉強をしたことのない私にとってほぼ毎日の先生から個別指導は貴重な経験だった。

●新校舎
最近完成したこの建物はこの地域では目だって大きいもので、今頃はこの施設に皆移動して学んでいることだろう。


●日の出
鳥の声と共に毎朝の発声練習の声が各部屋から聞こえてくる。


●グンデーチャ先生のコンサートを何回か見学しました。
瞑想的なドゥルパドの歌を聞くと心の深くから静寂のエネルギーが引き出され、拡大していくのを体験できる。


●生徒の一人、サージーヴ氏とともに
妻子の下を離れここで約2年ここで練習に励む。後1年間で終える予定。


●最終日は先生の家までバイクで生徒の一人が送ってくれた。オーストラリアからスィタールの勉強に来ている男性とサンジーブ氏、朝夕はこの時期北インドは寒いのでショールを身にまとっている。



(2)サーンチにある世界遺産のストゥーパ
ブッダの遺骨とシャーリプトラの髪の毛が保管されており年末に年一回だけ見ることができる。特に般若心経に登場するシャーリプトラの遺髪があるというので興味をもった。仏教を保護したカニシカ王によって作られたそうだ。残念ながら仏舎利も遺髪も見ることができなかったが、古代、ブッダの教えがインド中に広がっていた時代をイメージすることができた。(嬉しいことに、後日インド滞在最後の日、デリーの国立博物館に展示されておた仏舎利を見ることができた)。


日本が経済援助をしとてもきれいに整備されている。シュリランカから200人ほどの巡礼者のグループがちょうどきていた。岡上にある広大な敷地の中の2000年前の石の遺跡にかこまれてとても清浄で平和な場所だった。時を忘れて何時間でもいれそうだった。日本の神社の鳥居ににたトーラが印象的。鳥居の原型ともされる。


(3)リシケーシ〜ガンゴートリー〜ゴームクへ
ガンガーの清流を録音することができました。

●リシケーシでサーマヴェーダのコンサートを行いました。現地の日本語が話せるチャルルさんがアレンジしてくれました。


●ガンジスの聖地ガンゴートリー
海抜3000メートルのこの地のアシュラムに宿泊

●ガンジスの源流、ゴームクに向かって
リシケーシから10時間ほど車で移動して、いよいよガンジスの源流ゴームク
に向かって出発。しかし酸欠と食あたりで、途中でギブアップ。素晴らしい眺望に天国を見、体調不良での登山で地獄を体験。天国と地獄が共存。もう少しのところだった。次回また挑戦!!



●ガンジスの清流で心身浄化
ヴァラナスィ当たりで見る汚れたガンガーもハリドワールやリシケーシュまで来るときれいだが、ゴームクに向かうこの登山道当たりではとてもきれいだ。見ているだけで心身ともに清らかになる。


●シヴァリンガ山の輝き
遠くに見えるこの山の輝きは太古から人々を魅了してきたのだろう。



(4)ヴァラナスィ(ベナレス)
ここでは3日間にわたりヴェーダの専門家の詠唱を録音した。最終日は偶然一緒になった日本人グループ8人と共にヤジニャといわれるヴェーダ儀式を体験。この地で当方のジョーティシュとヤジニャを行ってくれているミシュラ先生がアレンジしてくれた。ルドラビシェーカといわれるカルマの浄化儀式は荘厳なヴェーダマントラの詠唱と共にシヴァリンガの浄化の所作が実際にあらゆるものを清めてくれることを実感した。

●アッスィーガートのガンガー風景
ヴァラナスィの南端のガート。このあたりは静かで落ち着くところ。中心部の雑踏比べると。録音はスタジオを使用しないため、静かな場所を求めてたどり着いたのがガンガーの中ほどにボートを浮かべてそこで行うことだった。


●ガンガーでボートを浮かべて詠唱を録音
3日間毎日午前午後とボートを浮かべて、ヴェーダの詠唱を録音。意外なミシュラ先生のボート録音という発想には驚いた。しかし静かな場所を探すのが難しいこの地においては、好都合な場所だと分かった。完全ア静寂はないが、かすかに聞こえる人の声は川の流れの音と共によいバックグラウンドミュージックになった。


●パンディットの面々
リグヴェーダ、ヤジュルヴェーダ、アタルヴァヴェーダと日替わりで詠唱を聞くことができた。至福の時間。なんと贅沢なことだろう。



(5)ブッダガヤでは般若心経録音で超多忙

●ブッダガヤはインドではボードガヤ(Bodhgaya)といわれていますが、お釈迦様が悟りを開いたとされる地である。釈尊は菩提樹の下で瞑想されたそうですが、その聖木とされる大きな木があり、のそばには巨大なストゥーパが建立されている。高さは25メートルほどあろうかと思われる。ストゥーパという言葉が卒塔婆(そとば)という言葉になり日本ではお墓などでそれらを目にする。

ここには各国の仏教寺院がある。韓国、中国、台湾、日本、チベット、ブータン、ネパール、タイ、ヴェトナム、ミャンマー、バングラデシュなど。特に大乗仏教のお寺を回り般若心経を録音させていただきました。貴重な経験ができた。


●ストゥーパの中の黄金の仏像
ヴェトナムの僧侶がパーリ語で毎朝5時から1時間ほどパーリ語でプージャーと読経をしている。とても瞑想的な雰囲気である。早朝にも関わらず多くの人が参拝していた。この時期はシーズンで各国からの巡礼者でにぎわう。7年前に来たときと比べこの地の大きな変化に驚いた。本当に田舎の雰囲気だったのが今ではたくさんのホテルやゲストハウス。チベットや各国の修業僧の数も増えていた。サフラン色の袈裟を着た若いお坊さんが町を行きしている様子は、インドというよりチベットに来たようだ。


●ブータンの寺院の僧侶が温かく迎えてくれました。若い修行僧が100人以上僧侶としての訓練を受けています。代表者のお坊さんが5人の若い僧侶を集めてくれて般若心経を録音できた。同じ仏典であるにもかかわらず国ごとに異なる言語による読経の響きは興味深いものがある。



(6)ラージギル
ブッダガヤから車で5時間ほど、ビハール州にあるこの地は、原始仏典ではラージャグラハ(王舎城)があった地。ブッダの時代のマガタ国の首都だった。しかし今はその繁栄の面影はなく自然豊かな静かな場所である。この写真に写っているのは、ブッダが法華経などを説いた霊鷲山(グリドラクータ)。またここは般若心経の舞台としてもも登場する。ブッダ尊が瞑想するなかアヴァローキテーシュヴァラ(観自在菩薩)が仏弟子のシャーリープトラ(舎利子)に般若心経を説き、その周りでは多くの弟子たちがそれを聞いているという設定である。私も山頂に設けられた祭壇に座りサンスクリット語で般若心経を捧げてきた。



(7)ジャイプールに恩師に会いに
ピンクシティとも呼ばれるこの観光地。プールとは城壁で囲まれた町を指すそうです。建造物に使われる石の色で町中がピンク色に見えるところからそういわれるそうです。

●ジャイプール郊外のサンスクリット大学の広大な敷地。

ここでアタルヴァヴェーダが専門のヴァラナスィ時代の恩師ナーラーヤナ・ホスマネー師が助教授として教鞭をとる。ここはキャンパスの中で生徒や教授たちの宿舎もある。ほどのこの地はジャプールから車で40分ほどの田舎にあり、州政府がヴェーダやサンスクリット語を後世に伝えるために5年前に開校した大学である。

●先生夫妻と近所の子供たち。
ヴァラナスィで7年前4ヵ月に渡りリグヴェーダやプージャーを指導してくれた師と感激の再会。2年前にはヴァラナスィにいたのが転居され、ミシュラ氏に探してもらいインド滞在中に連絡先が分かり再会することができた。2人目の2歳になる息子がいてにぎやかだった。


●生徒たちにあっという間に取り囲まれてしまった。人なつこい若者たちだった。私もすっかりインド人のように(笑)彼らと溶け込んでいる。




●この大学はラジャスターン州立大学で、はサンスクリット語や各種ヴェーダを教えている。ふと立ち寄った校舎は教育学部で、部長が親切に校舎内を案内してくれた。


▲インドの旅を振返って

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