日本で広がっているヨーガはアーサナであって、ハタ・ヨーガでもラージャ・ヨーガでもなくアーサナです。

  • 2017.03.13 Monday
  • 10:38

 

日本で広がっているヨーガはアーサナであって、ハタ・ヨーガでもラージャ・ヨーガでもないようです。日本だけではなく世界的に広がっているのは、アーサナと呼ばれる各種ポーズです。ヨーガ・アーサナと呼べます。

 

ヨーガの起源は確定的ではないですが、ヴェーダを編纂したアーリャ人が来る前からありました。古代インダス文明の遺跡の発掘物からも推測されます。さらにインダス以前からあった可能性も考えられます。あるいは、古代ペルシャか中央アジアかもしれません。

 

アーリャ人が北インドに侵入してきてからは、ヴェーダと融合したのでしょう。ヨーガは、ヴェーダからジニャ―ナ・ヨーガやバクティ・ヨーガ、カルマ・ヨーガへと展開し、さらにラージャ・ヨーガ(古典ヨーガ)へと発展。

 

非アーリャ系の伝統からアタルヴァ・ヴェーダが、そこからタントラ、タントラからハタ・ヨーガへと展開。ハタ・ヨーガはタントラに起源を持つといわれています。

 

タントラは、紀元後に整っていったヒンドゥーイムズ(ヒンドゥー教)のシヴァ派系から発展していますが、それは後期の古ウパニシャドにも説かれています。またアタルヴァ・ヴェーダにその源があるとされています。アタルヴァ・ヴェーダは非アーリャ系のアンギラサ族、アタルヴァ族に伝わる知識とされています。ですから、ハタ・ヨーガの起源は非アーリャ系である可能性もあります。

 

近代においてはヴィヴェーカーナンダによりラージャ・ヨーガが世界に広間しました。またクリシナマーチャーリャなどにより、ハタ・ヨーガは一般人に普及しました。その弟子たちにより、ハタ・ヨーガの一部であるアーサナのみが現在世界に広がっています。

 

古代においては瞑想によるサマーディがヨーガと呼ばれ、さらには瞑想がヨーガと呼ばれ、現在はアーサナがヨーガと呼ばれています。

 

ラージャ・ヨーガの説くヨーガ八支足では社会生活から心、体、精神というように生命の全体性の浄化を説いていますが、残念ながら現在は、ヨーガはアーサナという肉体美やフィットネスの実践としてのみ理解されています。

 

ヨーガの語源は動詞語根のユジ(yuj)です。ユジは結びつけるという意味です。真我と心を結合することです。さらには、真我に確立されて生きることです。

 

”ユジャ・サマーダウ”(yuja samaadhau)がヨーガの一つの定義とされています。「サマーディにおいての結び付き」という意味です。ヨーガはサマーディを意味しています。

 

またパタンジャリは、ヨーガを、”ヨーガ(ハ)チッタ・ヴルッティ・ニローダ(ハ)”(yogaH citta-vRtti-nidodhaH)と定義しています。つまり、「ヨーガとは、精神(心)の動き(機能)の停止(死滅)」と説いています。

 

精神の活動が私たちの知覚、思考、感情、自我、知性などとして作用していますが、瞑想のプロセスで精神活動が静まり、最終的には停止します。それがニローダ(停止)と呼ばれているもので、ニローダのうち一番の基底状態がアサンジニャータ・サマーディ(認識を伴わないサマーディ)と呼ばれているものです。自我意識と意識の対象がともに消滅した状態です。経験的には全くの無の状態です。

 

このアサンジニャータ・サマーディが最も深い意識でのヨーガとなります。パタンジャリは、そのアサンジニャータ・サマーディの経験をとおして、チッタ(精神)とプルシャ(純粋意識)の違いを識別するヴィヴェーカと呼ばれる識別力が得られると言います。そのことにより、ダルマ・メーガ・サマーディ(法雲三昧)を得、ひとは最終解脱、カイヴァリャ(独存)に至ると言います。

 

チッタ・ヴルッティを停止し、アサンジニャータ・サマーディを経験することがヨーガの第一ステップ、チッタとプルシャの結びつき(サムヨーガ)を除去することがヨーガの第二ステップ、ダルマ・メーガ・サマーディに至り、カイヴァリャに至ることがヨーガの最終ゴールとなります。

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